マダガスカル展〜Comme le Madagascar〜2016年11月4(金)〜28(月)にパラボリカ・ビス(東京・浅草橋)にて開催されるマダガスカルの生きもの展です

| CALENDAR | ENTRY | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
レムールサーカス開催前夜
0
    ベローシファカ
    守亜 和由紀



    というわけで最後の作家紹介は自分なのですが、作家紹介というよりはレムールサーカスに向けての思いみたいなものをつらつらと書いていきます。

    まずは何よりワタシは原猿たちと彼らが棲まう不思議の島マダガスカルが大好きなのです。
    そしてこのテーマで作品展をしようと思った時に、今までのようなワタシ一人の個展ではダメだとすぐに思いました。
    もしかしたらそれは多様性みたいなものと関係があるのかもしれません。

    このブログでもすこし書いた気がしますが、レムールサーカスに参加している作家たちは表現方法も、使っている素材も、モチーフとなる生きもののリアルさやアレンジさも、そして何より生きものに対する向き合い方もそれぞれが違った方向を向いています。
    ですが、1つだけ共通することがあります。
    それは、それでも生きものたちと地続きに向き合って、生きものと自分自身との対話の中で作品を生み出す作家であるということです。

    何をわかりきったことを、と思うかもしれません。
    ですがこれこそがワタシの一番大事にしているコンセプトなのです。

    生きものをモチーフにして作品を作るということは、アートであると同時にサイエンスでもあります。
    研究者がその動物の存在を確かめ、研究し、名前をつけ、分類する。その一連の作業によってはじめて私たちはその動物がなんであるかを知ります。それは誰かが想像した夢の産物でもなければ、神や悪魔でもありません。確かにそこに息づく存在です。そしてれは極端に言ってしまえばサイエンスによって私たちにもたらされた恩恵です。
    それを、今度はアートという手法を使ってサイエンスにすこしでも恩を、今までいろいろと楽しませてくれた、わくわくさせてくれた恩を少しでもお返しできたらなぁと思っています。

    全く以て手前味噌な、自分なりのやり方ですがね。


    お時間とお暇がゆるす方はぜひぜひ足をお運びください。
    お待ちしております。





    あ、ワタシ守亜は全日在廊しております。
    他の作家さんの在廊予定は、直前になってしまいまいますが、このブログ(と、もしかしたら各作家さんのサイト)でお知らせいたします。
    | 作家紹介 | comments(0) | - | posted by マダガスカル展 -
    ワオキツネザルとベローシファカ 〜マダガスカルの樹にて〜
    0
      藤森英二
      ワオキツネザルとベローシファカ 〜マダガスカルの樹にて〜



      レムールサーカスの最後の大事なパーツ

      ワタシが原猿とマダガスカルをテーマにした作品展をやりたい!と言いながら、メンバー集めをしていた時に、最後にワタシに声をかけてくれたのが藤森さんでした。彼は今までレムールの作品を作ったことがなく(、ないよね?)ワタシ自身もノーマークだったのですが、彼の方から「キツネザル作りたいです〜」と言っていただいて参加してもらうことになりました。
      その時ワタシは静かにほくそ笑んだのでした、ああ、これで最後の足りなかったパーツが揃ったんだと。



      藤森さんの本職は考古学の研究者さんで、日本の縄文時代についての研究が中心です。
      そして模型制作については二次的なもので、彼自身は「趣味だから」と言うのですが、藤森さんの対象を冷静に見つめ、分析し、自分の中で自制を効かせながら再構築する姿勢は研究者ならではのものですし、たぶん彼にしかできない表現が確かに存在します。そうそれは、研究者の呪縛ともいえるものかもしれません。彼の作品はノンフィクションに限りなく近いフィクションなのです。
      そうでなければ、東京国立博物館の縄文に関する展示の中で、藤森さんの再現模型が使われることは無かったでしょう。研究している本人が模型をつくるのですから、乱暴な言い方をしてしまえば監修者と製作者が同じ人なんだ、ということです。これはずるい。これは卑怯だ。うらやましいいいい!

      あー、もとい、そんな藤森さんの手から生まれてくる作品は非常に自制的です。でもさらに言えば彼はロマンチストでもあります。この世界にいる不思議な生き物や、すでに滅んでしまった恐竜などに想いを馳せるのが大好きな少年のような作家なのです。
      その自制的なロマンチストの作品はやはり非常にファンタジックなものです。遠いマダガスカルに想いを飛ばし、木の上で遊ぶレムールたちを夢想する。ですが、その細部やレムールたちのしぐさはとてもリアルなものです。


      そのリアルさこそが、藤森さんが参加する前のレムールサーカスに欠けていたものでした。
      これでやっとすべてが揃いました。





      日時:10月22日〜27日
      11時〜19時(最終日は17時まで)

      場所:ギャラリーTEN(東京・谷中)



      原猿とマダガスカルの生きもの展「レムールサーカス」を開催します。7人の作家がそれぞれの表現で幻想的なレムールの世界を現出させます。

      レムールサーカスパンフレット製作中 予価¥1000
      各作家の作品集と自己紹介、そしてイラストによる原猿図鑑。
      さらに霊長類研究者にしてアイアイファンド代表の島先生。古生物についてACTOWから徳川様と荻野様。そしてビバリウムガイドのメインライター冨水様にマダガスカルのUMAについて。
      それぞれ寄稿頂いています。
      おうちに帰ってもまだまだじっくりマダガスカルと原猿の世界に浸れます!

      | 作家紹介 | comments(0) | - | posted by マダガスカル展 -
      マダガスカルオオヤママユ
      0
        こざいく堂
        マダガスカルオオヤママユ



        レムールサーカスのレムールじゃない担当

        今回の参加作家さんの中で唯一グループ展やイベントなどでご一緒したことがあるのがこざいく堂さんです。
        ですので、こざいく堂さんの実力のほどはわかっていましたし、なんとなく性格もわかっておりましたので、ワタシが原猿、原猿言ってはしゃいでいたら必ずや冷や水をぶっかけてくれるであろうことも予想しておりました。
        というわけでレムールサーカスの開催を決めたときに、次にしたことはこざいく堂さんを誘うことでした。
        今回ワタシが自分からお願いして「原猿やマダガスカルの生きものを作りませんか?」と声をかけてはいません。基本的に皆、ワタシに言われなくてもレムールに興味があって自らレムールをモチーフにした作品を作っていました。こざいく堂さんを除いては。
        むしろワタシは、「キツネザルはどうでもいいから、マダガスカルの変な生きもの作ってよ?」とかそんなことを言った覚えがあります。

        獅子身中の虫ならぬ、まさにレムール身中の蟲!

        そう、こざいく堂さんはレムールサーカスのカウンターにして、レムール以外のマダガスカルの生きものを(たぶん言われなくても)作ってくれる唯一無二の存在なのです。




        こざいく堂さんはビーズ細工の作家です。
        そしてこざいく堂さんは言うのです、「ビーズはレシピさえあれば誰でもできるからね。」
        果たしてそうでしょうか。例えば、レシピさえわかっていればどんな難しい料理もできるのでしょうか。たぶんそうではないでしょう。料理で例えるならば、素材の選定から、素材の下ごしらえの上手さや手際の良さ、火入れのタイミング、などレシピだけでは再現できない要素が数多くあるように思います。
        ワタシはビーズ細工もそうではないのかと思うのです。
        こざいく堂さんのビーズ細工はただのビーズの羅列ではありません。モチーフとなる生き物を観察し、色と形を分解してその要素のひとつひとつをビーズやパーツによって再構成していくというとてもセンスと根気のいる作業です。
        それをもしレシピ化して、その通り作ったとして、(いや、その前にその通り作れる人が何人いるのかとも思うのですが)果たしてそれはもはや、レシピ通りに作った似て非なるモノなのではないかと。生きものに向き合っているのか、それとも目の前のレシピに向き合ってるのかで、たぶん結果は大きく違うものになるでしょう。

        そして、他の作家さんがかわいいレムールを作っているさなか、ひとり黙々と誰よりも可愛らしい素材をつかって、誰よりも変な生き物を作る。それがこざいく堂さんです。





        日時:10月22日〜27日
        11時〜19時(最終日は17時まで)

        場所:ギャラリーTEN(東京・谷中)



        原猿とマダガスカルの生きもの展「レムールサーカス」を開催します。7人の作家がそれぞれの表現で幻想的なレムールの世界を現出させます。

        レムールサーカスパンフレット製作中 予価¥1000
        各作家の作品集と自己紹介、そしてイラストによる原猿図鑑。
        さらに霊長類研究者にしてアイアイファンド代表の島先生。古生物についてACTOWから徳川様と荻野様。そしてビバリウムガイドのメインライター冨水様にマダガスカルのUMAについて。
        それぞれ寄稿頂いています。
        おうちに帰ってもまだまだじっくりマダガスカルと原猿の世界に浸れます!
        | 作家紹介 | comments(0) | - | posted by マダガスカル展 -
        レムール総論
        0
          大渕 希郷 (科学コミュニケーター・生物学)
          神山 紗織 (グラフィックデザイナー)
          のコンビにてマダガスカルに棲息するキツネザルの仲間の解説+αのパネル展示になります。

          とは言え、ワタシ自身もどんなものになるのか、実はまだ全然知らないのです。
          今回の展示の完全なるダークホースにして、この2人の参加こそがレムールサーカスの真骨頂なのです。

          大渕さんと神山さんは雑誌「生きもの好きの自然ガイド このは」の「常識ハズレの生きものたち」というコラム連載ページなどで活躍していて、大渕さんは生物学の分野での科学コミュニケーター、そしてその知識やエスキースをグラフィックデザイナーである神山さんがビジュアル化していきます。
          今回のレムールサーカスではマダガスカルのキツネザルを中心のテーマに据えて、その解説を担当してもらいました。たぶんギャラリーに入ってすぐのところに彼らの手による「レムール、キツネザルとはなんなのか、どんな種類がいて、どんなやつらなのか。」ということが分かりやすく解説されるはずです。
          じっくり読んでから他の作品を見ていただくもよし、それぞれの作品を十分楽しんでから最後にまとめとして読んでいただくもよし、のレムールサーカスの総合案内局なのです。


          ワタシ自身はレムールたちが大好きです。そしてマダガスカルに棲息するへんてこな生き物が大好きです。ですが大好きが故に独りよがりになるでしょう。それほどまでに大好きすぎてマダガスカルの生きものたちへの愛は屈折しているのかもしれません。
          さらに、キツネザルという言葉をなんとなく知っていても、実際に想像できるのはしましま尻尾のワオキツネザルくらいのものではないでしょうか。
          そういった、みんなはよく知らない、でもワタシ自身は大好きである、というギャップを上手に埋めてもらうために今回の参加作家たちの手をお借りしました。
          レムールサーカスの作家たちは、表現方法も、使用している素材も、そして動物に対する向き合い方も全く違っている集まりです。ある方は動物やその風景をリアルに再現しようと試みます。そしてある方はかわいくて魅力的なレムールたちを自分の理想のイメージに向かって愛らしく表現しようとします。またある方は制約のある素材を使いながら、それでもその動物たちのエッセンスを抽出し、美しく再構成していくのです。

          各々がそれぞれの手法でマダガスカルとレムールたちに迫っていきます。

          それこそが、今回のレムールサーカスのテーマのひとつです。まるでサーカスのように出てくる演者は皆特殊技能の持ち主で、そしてそれぞれがそれぞれの必殺技を持っているのです。


          そして大渕さんと神山さんはマダガスカルという広大なサーカスの案内人です。
          まずはひとつひとつの展示を楽しんでください。とてもかわいいと思います。とてもかっこいいと思います。とてもリアルなものもあるし、とても優れた表現がそれぞれの作品に込められています。
          そしてすこしだけ気になったら案内人を探してください。あなたが気になった作品がいったい何者であるのか教えてくれるはずです。

          そのために彼ら案内人には解説展示で参加してもらいました。
          もっと知りたくなった方のためにパンフレットも用意しました。

          レムールサーカスは、かわいくて、可愛くて、そして少しだけ知的な野生のサーカスです。





          日時:10月22日〜27日
          11時〜19時(最終日は17時まで)

          場所:ギャラリーTEN(東京・谷中)



          原猿とマダガスカルの生きもの展「レムールサーカス」を開催します。7人の作家がそれぞれの表現で幻想的なレムールの世界を現出させます。

          レムールサーカスパンフレット製作中 予価¥1000
          各作家の作品集と自己紹介、そしてイラストによる原猿図鑑。
          さらに霊長類研究者にしてアイアイファンド代表の島先生。古生物についてACTOWから徳川様と荻野様。そしてビバリウムガイドのメインライター冨水様にマダガスカルのUMAについて。
          それぞれ寄稿頂いています。
          おうちに帰ってもまだまだじっくりマダガスカルと原猿の世界に浸れます!
          | 作家紹介 | comments(0) | - | posted by マダガスカル展 -
          URBAN SAFARI
          0
            URBAN SAFARI「ベローシファカ」


            URBAN SAFARIさんとアイアイの話をしなければレムールサーカスはなかったのです。

            もう数年前の根津のギャラリー花影抄でのワタシ、守亜の作品展のときに来ていただいたのがきっかけで、そのときなぜかアイアイの話になったのです。
            (いや、なぜかというか、ワタシは基本原猿の話をすることが多いので、なぜかというのも変な話なのですが。)
            そのときに気が付いてしまったのです。世の中には僕以外にも原猿やキツネザルに興味があって、それをモチーフに作品を作られている方がいるのだということを!
            そこでワタシはこのまだ見ぬレムールサーカスへと続いていく「原猿展」への思いをふつふつとたぎらせたのでした。
            そんなわけでたぶんURBAN SAFARIさんがその時のワタシの作品展に来てくれなかったらこのレムールサーカスもなかったのではないかと思うのです。



            URBAN SAFARIさんは主にフェルト、そして場合によっては様々な素材を使って動物をモチーフとしたアクセサリーや服飾雑貨を制作している個人ユニットです。
            その基本コンセプトは、URBAN SAFARIさんのサイトに書いてある通りのものです。今現在ここに生きる、つまり人と人との暮らしの中に生きる我々とそこに光明のように差し込むキーワードの意味する何か、想いのようなものを感じてください。そのキーワードは読んでいただければすぐにわかりますので是非一度リンクをたどって短い言葉に凝縮された想いをお読みいただければと思います。
            URBAN SAFARI


            URBAN SAFARIから生み出される動物たちは、我々人間のことなどなんとも思っていないのではないかと思う。これはワタシが思っているだけで実際にどういうつもりで製作されているのかは知らない。
            URBAN SAFARIから生み出される動物たちには2種類いると思う。それはこちらを見ているのか、見ていないのか、の2種類だ。
            こちらを見ていない動物は我々のことなど無関心である。しかし彼らは自らの魅力を知っている。人間にどのように憧れられているのかを知っている動物たちだ。我々は彼らを崇拝し、憧れ、追い求める。
            こちらを向いている動物たちの目は我々を見ている。一定の距離をとってこちらの出方をじっと見ている。その目は心の奥底を見透かすような目だ。アクセサリーと化した彼らが見ている。彼らをまとうのかどうかを決めるのは実は自分たちなのだと言いたげに、我々をじっと見つめている。ワタシは彼らに選ばれることができるだろうか・・・

            URBAN SAFARIから生み出される動物たちは自分に絶対的な魅力があるとわかっているのだ。我々はただただ彼らを求めるしかないのである。






            日時:10月22日〜27日
            11時〜19時(最終日は17時まで)

            場所:ギャラリーTEN(東京・谷中)



            原猿とマダガスカルの生きもの展「レムールサーカス」を開催します。7人の作家がそれぞれの表現で幻想的なレムールの世界を現出させます。

            レムールサーカスパンフレット製作中 予価¥1000
            各作家の作品集と自己紹介、そしてイラストによる原猿図鑑。
            さらに霊長類研究者にしてアイアイファンド代表の島先生。古生物についてACTOWから徳川様と荻野様。そしてビバリウムガイドのメインライター冨水様にマダガスカルのUMAについて。
            それぞれ寄稿頂いています。
            おうちに帰ってもまだまだじっくりマダガスカルと原猿の世界に浸れます!
            | 作家紹介 | comments(0) | - | posted by マダガスカル展 -
            | 1/2 | >>